高地トレーニングは,女子マラソン界では,高橋尚子,野口みずき選手をはじめとし広く取り入られ,トレーニング方法のスタンダードとして定着しています。ところが,日本男子マラソン界においては,積極的に取り組んでいる選手は少数派です。
男子でも高地トレーニングにトライしてこなかったわけではありません。しかし,成功例が少なく,効果的な方法が十分に検証されていないため,尻すぼみになることを繰り返してきたと言えるように思います。
以前は,高地トレーニングをできる場所が,コロラドを中心としたアメリカであったため,何回も行くことはできませんでした。勢い,せっかく行くのだからと,トレーニングスケジュールが過密となります。ところが,酸素濃度が薄い高地では疲労回復に時間がかかるうえ,高地順化のための負担がかかります。そのため,知らず知らずのうちに疲労がたまってしまうということが,失敗の主因の一つであると考えられています。ただ,高地への適応力は個人差が大きく,要因は複雑です。
びわ湖毎日マラソンに出場した佐藤敦之選手は,レース前,中国昆明市で高地トレーニングを行いました。今から考えれば,抑えていたつもりでも,結果的にトレーニングをやりすぎてしまい,自覚のない疲労が,からだの芯奥に蓄積していたことが途中棄権の原因だと思います。
今回は失敗しましたが,スポーツの挑戦は,未知の世界への挑戦でもあります。より最適な方法を探求し,2007年大阪世界陸上に出場できるよう,チャレンジしていきます。 (坂口泰)
出場選手及び成績
団体成績