ブログ開設1周年記念企画として皆さまから募集しました「坂口監督に聞いてみたいこと(ご質問)」の中から,第3回目の今回は,ちぢゅる様,HAMACYOB様からいただきましたご質問に,お答えします。
−−坂口監督のお話はとても興味深いです。以前新聞に故中村監督の練習メニューを「ステーキ」に例えられてお話されていたのがとっても面白かったのです。もう一度お話を聞いてみたいのですが。【ちぢゅる様(女性,40代)】
人間にはいろんな成長段階があります。生まれたばかりの赤ちゃんの頃があって,それがつかまり立ちをするようになり,やがてよちよち歩きを始めます。この頃に与える食事は離乳食。この時期に,例えばお寿司やステーキを食べさせようとしても,いくら大人が美味しいとか栄養があると思っても,それは子どもにとっては栄養にはなりません。子どもには子どもに合った食べ物があるのです。その後,小学生,中学生,高校生と成長していくにつれて,体を作るたんぱく質が必要になってくるなど,必要な食事も変わってきます。
人間の体が,その成長段階によって吸収できるものが違うように,選手にも成長段階があり,それぞれの段階に応じて,消化・吸収できるもの,必要なものは違います。
中村監督の練習メニューや理論は,非常にレベルの高いものでした。超一流の人に求めることを最初から求められ,私たちには,とても食べられないし,消化もできませんでした。でも,ステーキを飲み込める人がいたのです。噛んで咀嚼して飲み込むのではなく,味わうのでもなく,でもとりあえずステーキを飲み込めた人。それが瀬古さんでした。
−− 中村監督のもとで,選手生活を送るなか,どのようなことを感じ,何を学んで来られましたか。またその中でも,中国電力陸上競技部を強くするうえで,役立ったことは何でしょうか?【HAMACYOB様(男性,40代)】
中村監督に出会ったことで,本当の超一流というものがどんなものであるかを知り,自分の中に一つのベンチマーク(基準)ができました。監督から学んだことは他にもたくさんありますが,「超一流の指導者だった」ということは特筆すべきことです。
私も,指導者として,自分がどこにいるかわからなくなる時もあります。そんな時,もし何も知らなければ指標がないわけですが,迷っても,拠って立つ道しるべがあり,またもとの道に戻っていけるのは,中村監督との出会いがあったからこそです。物事には,誰かに教えてもらわなければいけないことがあると思うのですが,教えてもらうなら超一流の人がいいと思います。そういう人と命を削るようにして過ごした経験を持っている人はそんなにはいないと思います。しんどい(辛く苦しい)のも徹底的にしんどかったですが,中村監督との出会いは私の財産です。
もっとも,選手の頃の私はそんなふうには思っていませんでした。指導者という同じ立場に立ってゼロからスタートするにあたり,道しるべが必要となり,それがわかりました。
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